茶名

生徒から茶名を戴くのにどれくらいの期間が必要ですかの質問がありました。

10年位かなとは答えましたが、この答は大変難しいです。
私は週三回の稽古で殆ど休まず、約13年で戴きました。しかし、先輩が何人かおりましたので、「先輩を抜く事は出来ません」と断りました。
それと言うのも先輩は私の師匠に師事する前は師匠のお母さんに長いこと習って居られて、いつまで待っても茶名を戴けないとの話を聞いていたからです。
師匠は「出来ないのに上げる事は出来ない」と言われましたが、結局は先輩数人と一緒に下さいました。

この頃は宗家も今のような基準が無く、其々の教室の師匠の申請で茶名を許可されていたようです。
しかし、師匠によって色々で、私の知人にも他の師匠門下で例えば濃茶を練った事が無いとか花月を知らないと言う方でも茶名を戴いておられる方が居り驚いたものでした。

現在は生徒個人の進捗状態により師匠の判断で申請出来ますが、次に進む修道課程(以下科目と表す)が何年以上にならないと申請出来ないとか、最低年齢以上にならないと茶名が戴けないような基準があります。

生徒の考えと師匠の考えではありますが、私はやはり充分納得して一つの科目が終わったら次に進みたいと思っています。しかし、茶道の修道と言うのは人に依っては一生涯続くものなので(茶名を戴いたからお茶は終わりと言う訳ではありませんし)科目も数え切れない程あり、茶名を戴いても繰り返して修練を積みますので、ある程度出来れば、次に進んで良いだろうと考えています。
それらを考えての10年です。

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裏千家の所謂免状と言うのは、この点前をしても宜しいと言う許状です。
大方、割り稽古が終わった頃に入門の申請をしているようです。薄茶平点前、濃茶平点前、炭手前等が終わると小習いの申請ですが、炉と風炉の点前があるので、最低でも一年を必要とします。平点前と言っても例えば薄茶を入れる茶器が棗から中次に変われば扱いも違います。棚が変われば扱いが違います。覚える事は半端じゃないです。とてもとても一年で覚えられるようなものではありません。逆に毎回同じ道具で点前を学ぶとしたら飽きてしまうのではと思います。

写真は火曜夜教室の方です。お点前は小習い十六ケ条の茶碗荘を稽古しているところです。
この段階では、今の言葉でコミュニケーションをとる事、気働き等を学びます。その他にも、師匠の用意してくださる掛物や花、お菓子等々から季節を感じとり、年中行事を学びます。つまり、学・実・働を学ぶ訳です。

しかし、お茶を習いたい理由は様々あり、例えば「着物に興味ある」「基本だけ習いたい」「みんなとお喋りしたい」昔はお嫁入りの資格みたいなところもありました。
多分、点前の科目が沢山あるとか、日本文化のあらゆる事を勉強しなければならないとか、茶室の掃除や露地の掃除等々知らないで入門される方が多いように思います。先の先輩達は資格は欲しいが、みんなとお喋りしたいグループのようでした。師匠の話を聞きたいとか・・・。茶会の前、師匠の家の掃除をする事になり「何で他人の家を掃除しなければならないの」と怒っている方もありました。それは教えて戴く事から外れています。最近はカルチャーが多く、全部準備してあり、点前が終わればさっさと帰るお稽古がありますが、これで本来の茶道が残るのか懸念されます。

茶道の点前で百点と言う言葉はありません。客に沿わない点前はいくら間違いなく点前したとしても満点とは言い難いのが茶道と私は思います。よく、作法など全く知らない初めての客に、茶碗を回してとか一生懸命説明している方が居られますが、私はどうぞご自由にお飲みなさいと言います。習って初めて作法どおりに戴けば良いのです。昔、他の門下の男の方が「お茶でも習えば良いのに」と言われた事がありました。自分がお茶を習っている事が如何にも自慢げで話すのです。大層偉くなったものだと思った事でした。
家元の組織に参加して「○○役員しています」「○○委員長です」こういう事を言うことからして茶道に反していると思うのですがどうでしょうか。家元の維持のために組織だてる事は仕方ない面もありますが、切り離して考えるべきと思います。

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大徳寺立花大亀老師の色紙に紅白の椿をいれました。

by higashinuma | 2011-01-26 17:44 | 茶道 | Comments(0)