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つれづれ

春は名のみの・・・

この季節になると思いだすフレーズが
「春は名のみの風の寒さや・・」

好きな唱歌の一つ「早春賦」は、1913年(大正2年)に発表された吉丸一昌作詞、中田章作曲。
先日、ある茶道の大先生(お年は推定80歳)から葉書を戴いて、文頭にこのフレーズが書かれてあった。きっと先生もこの歌がお好きなんでしょう。

田舎の雛祭りは四月になってからなのですが、東京の桜が咲くころに未だ雪の降る東北の田舎。
約一カ月は季節がずれている。けれど、旧暦ならドンピシャと言ったところ。
菱餅は記憶だと四色(赤白黄青)・・(古い京都の雛段の写真には五色が載っていた。多分五行の色でしょうか)家で餅を搗いていた。土蔵から古い雛人形を出し、包み紙をほどくと、又今年もお見えですねと言う顔であった。やはり、一年間元気で過ごせた祝いなのだ。
話は逸れますが、包み紙は幕末から明治にかけての版画だった。今、残っていれば雛人形より価値があるだろう。これを見るのも楽しかった。
3月3日の夜、夕飯の前に雛段に蝋燭を点して家族が手を合せ、雛のご馳走を戴いた。
翌日は朝から又、紙に包み倉にいれるのである。
菱餅は細かく切られて、ござに広げ干されてあられにするのである。
畳の上げられた座敷にはまるで花が咲いたように綺麗であった。
昔、我が家の座敷からは釣りが出来るほど川に面していて、川面の太陽の反射が座敷に映り、春と言っても未だ寒いこの日頃の気持ちを明るくさせるのであった。
こんな季節の歌であった。
 
四月半ばから五月にかけて一斉に花が咲きだす。桜、梅、桃、山吹、梨、杏・・・・

雪解けの頃は漸く猫柳が芽を吹き、眩しい陽射しに田圃は湖のように水を湛え、氷が解けて流氷のように雪を載せて浮いている。危険とは言われながら、この氷に載って浮くのが何とも楽しかった。
時には大雨の後のように洪水になっていた。が、明るい陽射しに暗さは感じないし、今まで暗雲に閉ざされた世界が、きらめく太陽に心躍るのであった。

春は名のみの・・・_b0197486_963725.jpg

雪の梅園。雪面に黒い塊が見えるのは福寿草が咲いている場所です。
東京の3月4日。今日も寒い北風が吹いていますが、うす曇りながらも太陽が眩しい。
この歌が口を衝いて出て来る。
by higashinuma | 2012-03-03 09:43 | 所感 | Comments(0)

茶道をとおして日々の流れをつづる

by higashinuma