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つれづれ

天目茶碗

12月10日 月曜日 晴れ 
寒い予報ですが朝は昨日より寒いと思わなかったが今は夕暮れ時、結構冷えてきました。

天目茶碗は本当は天目と言う言葉自体茶碗を表現しているので、茶碗を重ねて言っている事になるが、今は殆どが天目茶碗と言っているので、そのように書きます。それに天目と言うより天目茶碗の方が言っていて落ち着く。

本物は美術館で観て戴くこととして、私が出会った天目茶碗について書くこととしよう。
廈門(アモイ)からコロンス島、漳州の土楼、そして福州から列車で武夷山(ブイサン)に一人旅した事がある。武夷山は岩茶で有名で、古くから皇帝にのみ献上された大紅袍と言うお茶が特に知られます。今でも岩に自生した4本の茶樹から採れた茶葉は政府の管理との事です。
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土楼とその内部 大凡50家族が生活しています。観光客は自由に入り、生活の場も覗いてみるので、良いのかなぁと疑問に思いながら。    写真は全てネットより戴きました
又、この近くには建窯があり、宋代に天目茶碗を造っていた窯跡が発掘されています。
以前、NHKで紹介されていました。
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武夷山は名だたる観光地で、駅前周辺はお土産物屋で一杯ですが、古道具商の処へ案内して貰いました。
そこで、見せられたのが建窯の天目茶碗や青磁の皿等、店主が収集した普段は開けていない店舗兼展示場でした。天目茶碗は10個のみで一個が10万円と言う。幾らかでもまけてくれたなら買っても良いと思いましたが、他の物も含めて値引きは一切なし。値引きは例え騙されても良いと思ったからです。逆に店主は本物だから値引かないと言う事なのかも知れない。
宋代の茶碗が10万円で買えるなんて嘘みたいですが、それは中国での物価の違いです。
だいぶ考えました。10万円出して、この茶碗はいつ使うの?奥伝の点前だけしか用が無いなら無駄になると言うのが最後の結論でした。


後日、裏千家で発掘し、同道したある方が発掘品を手土産に差し上げたと言う茶碗を拝見させて戴きました。良い物は無いと言う位で、多少欠けがありました。

先の物はとても軽く、薄い。熱湯を入れても熱く無いとも言われました。しかも高台に名前が入っていました。これは献上用で、職人が名前を売るために書きいれたと聞きました。

一方、発掘品は重い。その方は重いのが特徴で、名前などは書きいれないと言われました。

しかし、色々調べてみると、官邸用(献上用)は名前が入っているようですし、他の茶碗を見ても紙のように薄い茶碗もあります。それは手に持って戴く物だからです。
発掘品はそこで発掘したのですから間違いは無いと思いますが、出来が悪いから捨て置かれた物と考えられますし、それに献上用は特別に造られていたと考えるのが正統でしょう。
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今、思えば、それでも買っておけばよかったと思います。何しろ千年の歴史を伝える価値は大きい。
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天目台にのる禾目天目               黒田陶苑様写真より

その当時はネットで検索なんて事も未だ無かった?と思うし、今後は目的があれば調べてかかるを徹底したいと思った事でした。
by higashinuma | 2012-12-10 16:33 | 茶道 | Comments(0)

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