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つれづれ

道具との縁

火曜教室は3月1日。
再度、雛の短冊にしました。
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山茱萸(さんしゅゆ)と光源氏椿
家の近所の畑に垣根のようにして植えてある大きな山茱萸があります。今は色の少ない未だ枯野の雰囲気が漂う畑を黄色の小花が賑わしています。この畑には花桃が数本植えてあり漸く蕾の一、二個がピンクに膨らみ初めました。毎年この山茱萸が欲しいと思いながら、下枝は横に張っているので、花入れに挿すには難しいと諦めています。ここに挿した枝は誰かが置いてくれました。
椿はそろそろ蕾からやや開いたのを使いますが、茶室の中が暖かなので、夜稽古の時にはすっかり開いてしまう時があります。光源氏椿は開いた姿がとても美しいので、時にはそのままにしています。

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お菓子は桃。餡は白餡に桃の果肉が刻んで忍ばせてあります。
東京でもたまに見かけますが、田舎では「雛菓子」と称して鯛を模った落雁に餡の入った大き目(塩釜落雁等の数倍の大きさ)のものや、おめでたい物の形のお菓子が並びます。
この桃はそんな雛菓子のイメージで選びました。

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好きな茶碗の一つで、この時期に使っています。
福寿草と名前が付いています。下の銀の部分が残雪を表し、春草をあしらっています。
掛分に魅了されました。この作者は京都の茶道具作家で、作品に品があるので好きな作家の一人です。
今はデパートも茶道具売場を撤退し、少なくなりました。そんな中、さるデパートの食器売場のショウケースに飾ってあったのを見て「欲しい!」と思いましたが、いつも衝動買いをしてしまうので「ぐっと押えて」次に来たときに売れていなかったら買おうと決めました。
このデパートはいつも行く繁華街とは逆方向で殆ど行く機会はありません。けれど、一ヶ月後何かの用が出来て、この街方向に行く事になり、かのデパートを覗いてみました。
そのままこの茶碗が飾られてありました。本当に欲しいものなのか自問し、買う事にしました。
道具も縁ですね。この茶碗を見る度に思い出す事です。

いつも顔を出すある茶道具店のケースに大西(釜師)の蓋置があり、珍しいし買いたいけれどと暫く見とれて結局諦めました。数日経ってどうしても欲しくて、店に顔を出し、ケースに無かったので「あの蓋置は売れましたね」とぼやいていましたら、店員が「取ってありますよ」と出して来ました。「多分、欲しいんだろうと思って」と言われむず痒い思いをしながら買った覚えもあります。

別の店での話し。展示会で御本茶碗を見つけて迷った結果買わなかった。
この時には茶友が一緒で、この方はそんな事は無いですが、人によって茶会のときに「この茶碗は何処何処の店で幾らで買ったのだ」みたいな解説を付けられるのが嫌な事もあった。大宗匠のご銘がある茶碗で、手持ちの大宗匠好み「山里棗」に取り合わせるにはこれほどピッタリのものは無いと思われた。どうしても欲しくて翌日出かけたが、売れてしまっていた。これは縁が無かった事例です。
以後、茶道具屋に行くのは案内する以外、必ず一人で行く事にしている。
by higashinuma | 2011-03-03 10:20 | 茶道 | Comments(0)

茶道をとおして日々の流れをつづる

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