人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

つれづれ

花 3

火曜教室今月最後の稽古は留学生が学校の授業で全員盆略点前を体験するとの事で、盆略点前の用意をしてあった。続いての稽古は茶箱卯の花点前と考えてその用意もしていた。
稽古に来た留学生の話を聞いて、学校の先生の許可があり、普通の点前を披露するので普通のが良いと言われた。普通の意味は色々在るし、盆略も普通なのだが、結局、薄茶運び点前を稽古した。
一人はまあまあ大丈夫かなと思われたが、もう一人は緊張するのか、客に初めて会う社中の者が居てもスラスラ点前出来ない。点前のところどころを飛ばしていたり、問答が思うようにゆかない。
これは良くある事。私も最初に披露した人前での点前は、客の顔が見えなかったし、首が震えて、茶杓が棗にカタカタ鳴って漸く置いた事等思い出す。
「慌てないで、ゆっくり深呼吸して」自信をもたせる事に集中した。
学校の体験授業を終えて来月の稽古にどんな顔をして来るか楽しみだ。

花 3_b0197486_9592268.jpg

やはり、1か月同じ軸と言うのは、私が飽きる。恐らく生徒も。
「本来無一物」に続く語句「無一物中無尽蔵」に心なし合うような短冊になった。
「福寿海無量」大徳寺喝堂和尚染筆
この言葉に接する時、ここに居る幸せを感じる。

夜稽古で宿題の回答を聞いてみた。当てられた生徒は調べて無かったが「お助け」をして下さった生徒が良く勉強されていた。意味的には充分な答えでしたが、出典は何か?誰の言葉か?をも次回からは調べて戴きたい。試験勉強では無いけれど、茶道検定一級の学習課題でもあり、知って損は無く、その中からお茶会での会話も広がる。

花 3_b0197486_10113651.jpg

籠の花入は種類が多くとも許容してくれる。七種を持って行ったが、最終的には五種になった。
後ろ左は「夾竹桃」右「虫取撫子」手前左「忍冬」中「紫陽花」右「ずいな」
入れてみて、今日の花は全ての種類が小花の集合体で出来ている事に気がついた。
一年間花を見てきて、ある時期は白が多いとか、紫系統だったり、今回のようにヒラヒラしたような集合体が多い時がある。バランス良く入れるにはやはり難しい。

花 3_b0197486_14584786.jpg

江戸時代の山口素堂の俳句で、「目には青葉 山郭公 初松魚」が口に出る季節になった。
郭公と書いていますが「ほととぎす」と読ませています。
このお菓子は「落とし文」の銘があります。不如帰が落としていった文を表現しています。今の季節は雛が孵る季節で巣立つ頃には、親鳥が血を吐くような声で鳴くと表現されますが、明け方早く、悲痛な声で鳴きます。
本当はオトシブミ科の甲虫は、栗、櫟(クヌギ)、楢(ナラ)などの広葉樹の葉をクルクルと巻いて地面に落とし、その中で成虫になるのだそうです。
これでは美しくありませんので不如帰の鳴くこの季節のお菓子として、そのように伝わってきました。

今回のお菓子は葉の部分のこなしが柔らかすぎてやや扱い難い。それに餡を巻き込むように葉を形作るのが基本ですが、柏餅状態。よく言えば職人気質、悪く言えば頑固。味はまあまあなので、話を聞いてくれたら、もう少し頼めるのだが・・・。

花 3_b0197486_16561595.jpg

干菓子は餡入り落雁。この店では上に載せる模様で季節を表現している。先月は桜の花だったと思う。困ったときの頼み菓子として重宝しますが、京都の店で、餡入りのため賞味期限が短いのが難。
丸いのは土曜日に使用した菓子「香木実」。丸いのは形が良いけれど、干菓子盆で運ぶには亭主(半東)泣かせ。下を薄く削ぐか、押しつぶしてはどうだろうか。小さければ別容器に入れてお盆に載せるのも手。
by higashinuma | 2011-05-26 10:17 | 茶道 | Comments(0)

茶道をとおして日々の流れをつづる

by higashinuma