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つれづれ

火曜日教室

火曜日教室は8月最終日となりました。
暑さが戻り、そして我家の居候も二週間の旅から帰って来ました。

8月の火曜教室は茶箱『卯の花点』を稽古。
三週は拝見無しで稽古し、今日と来週は拝見有りでの稽古です。
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茶箱点前は私の修行時代も、あまり稽古した事が無く、本当にうろ覚えで最初の稽古日では細かい部分が思い出さず、今回はまた、拝見有りで最初に稽古した生徒の時、拝見後の仕舞いで、はて?茶碗をどうするんだっけ?暫く止ってしまいました。箱の蓋の上の棗を向うに置き換えて茶碗を蓋に載せるのを忘れていました。
ある一つのルールみたいなものがあり、例えば箱から出した順番に箱に入れてゆくとか、けれどそれから外れるとなかなか覚え難い。ボケ防止に役にたつ点前だと思ったりします。

茶箱の点前は伝物で「雪月花」の三科目。十一代玄々斎宗匠が伊勢松坂に出稽古に向う時の創案と伝えます。雪月花は四季で夏が無いため抛筌斎(裏千家宗家にある茶室の一つ)の前庭に咲く卯の花を見て「卯の花」点前を追加されました。
その後、十四代無限斎(淡々斎)宗匠が「和敬点」十三代円能斎宗匠が好まれた御所籠を用い「色紙点」を創案され、現在はこの六種類の茶箱点前が伝わります。

茶箱は利休が大善寺山で野がけの茶会をされたときに用いたのが最初とされ、表千家に伝わる千家名物の「笹露棗」は利休茶箱に添ったものと伝わり、写しの棗が多く出ています。

古参の生徒も「和敬点」は経験していましたが、「卯の花点」は初めてと聞き、愕然。
複雑で優美な「月点前」を生徒の希望で続けて稽古しようか迷っている次第。

十五代鵬雲斎大宗匠は大戦時、特攻隊でした。俳優の故西村晃と同期との事です。ご尊父淡々斎が茶箱を入隊に持たされたようです。特攻基地でお茶を点てられた話を書かれておられます。
淡々斎は「和敬点」を創案されて、箱五十個を軍部に贈られたとも耳にしました。

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今月最終で軸の意味を問う。
「竹日夜起清風」は見つからず「竹葉々起清風」で良いですか?との事。
こちらの語句は良く目にします。同じ捉え方で良いでしょう。
為君葉々起清風 虚堂智愚(きどうちぐ)禅師 『虚堂録』
こちらの解釈は「お互いの清らかな 心の交流は脩竹の起こす清風にも感じる」とありますが、清風つまり清らかな風(心が清らか)が日夜ですから禅の境地でありましょう。
夏の暑い時でも極楽のあまり風がすうっと通る事がありますが、その瞬間は恐らく皆さん無垢の境地にあると思います。私的な解釈ですが、このすうっと通る風が清風なのではと思われ、一日中この無垢の境地で居られる事を願い、茶道でありたいと願います。

花は土曜日のもので、竜胆だけ取り替えている。土曜日の籠も侘びて良かったけれど、今回は萩焼花入に入れてみました。真塗りの蛤端薄板のためか、同じ花材でも田舎屋からお座敷になった気がする。

お菓子は写真を忘れましたが、百万遍かぎや政秋の「野菊」たちばなの「割れ氷」振り出しに入れた「金平糖」居候の土産の「月餅」それに千本玉寿軒の「西陣風味」お腹一杯でした。
「割れ氷」と覚えていましたが、実際に菓子箱には「こはく」とあり店も千歳烏山の「たちばな」では無く、京都の「伊勢六たちばなや」でした。凄い思い違い!
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色によって味が違い、この季節には相応しいお菓子です。色が薄く品が良い。
下の写真は金澤村上の「割り氷」食べた事は無いけれど同じ種類。
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by higashinuma | 2011-08-25 08:48 | 茶道 | Comments(0)

茶道をとおして日々の流れをつづる

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