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つれづれ

吉野棚

5月6日 月曜日 晴

土曜日の稽古で円能斎好み吉野棚を使い、障子から葦に取り替えた。
ついでに棚の名前の起源の吉野太夫の話をした。前にも書いたように思うがもう一度書かせて戴こう。

土曜日の稽古のアップの写真のように私の手持ちの吉野棚は、通常に観るような色を押えた春慶塗りです。ヤフーのオークションに色目の明るい所謂通常イメージするような春慶塗のがあり、吉野棚の本歌は分からないが、円能斎の好み物(棗や懐石道具)の春慶塗があって、それらから判断すると、こちらの明るい方が相応しい気がする。
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                      ヤフーオークション写真より

吉野太夫は慶長11年3月3日(1606年4月10日)の生まれで寛永20年8月25日(1643年10月7日)の没実に38歳の命でした。詳細は検索で色々と書き込みがありますので、ご覧下さい。

棚の丸窓は吉野太夫の好みと言う事で、お墓のある常照寺の茶室や高台寺の遺芳庵に取り入れられていますが、良く観ると真円では無く、下方が水平に切っています。
それは吉野太夫が出来た人間では無いと、自ずからの謙遜の現れとの事だようです。
この事だけでもお人柄が忍ばれます。
お好みにクレームをつける訳ではありませんが、棚は真円です。
茶は修行の場で禅語からも円相があり、理想としていますので、そのような意味もあったのかも知れません。
吉野棚_b0197486_9461163.jpg

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上は高台寺遺芳庵全景、下は常照寺の吉野窓      ネットから

それから名物裂に「吉野間道」があります。
吉野棚_b0197486_952769.jpg

吉野太夫を身請けした灰屋紹益が大夫に贈った打掛とも言われます。
この織物は他に意匠を替えて帯等に取り入れられています。
私のペンケースと眼鏡ケースはタイシルクのジムトンプソンの物ですが、これも織は同じです。
吉野棚_b0197486_10124441.jpg

バンコクのジムトンプソンの家(公開)でペンケースを買った後にあの子がバンコクへ行った時、お土産で眼鏡ケースを買ってきてくれた。

続く
by higashinuma | 2013-05-06 09:12 | 茶道 | Comments(0)

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by higashinuma