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つれづれ

道具の事 2

27年11月1日 日曜日 晴れ 22.5℃ この秋と言うか冬一番の冷え(我が家比)
夕べから結構寒くなりました。普段家では靴下を履かないのですが、靴下を履いて膝掛をしてテレビを観ていた。
今朝も穏やかに迎えてはいるが、冷えている。背中に日差しがあるので、背中は暖かいが足元が寒い。

もう、今日から11月。冬ですね。季節の区別は旧暦と新暦がほぼ一か月違うので表現し難い。それに私の感覚では1月は春です。新暦では2月に立春。旧暦の中国では春節に当たり正月。中国の文化を多く受け継いでいる日本は中国で継がれていない行事も残るが、新暦にするとすっきりしない事が多い。

一方、お茶の世界では11月は炉開きで、紅葉や時雨を使います。感覚的には秋。やはり旧暦。
茶道検定の試験に出てくる中に「三夕の歌」があります。
新古今和歌集の中の「結句(五・七・五・七・七の最後の七)」が「秋の夕暮」の三首を指します。
武野紹鴎が侘びの美意識として上げた藤原定家の歌がよく取り上げられます。
「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮」
他二首は
「寂しさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮」寂連
「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮」西行
十月の名残の侘茶の時期には相応しいと思うこれらも十一月に良く使われます。
花も椿と照葉(紅葉は照葉と呼ばないと言う業躰もおられたが)の取り合わせ。

「奥山に紅葉踏み分けなく鹿の声聴くときぞ秋はかなしき」猿丸大夫
鹿も秋に相応しい。
我が家には鹿の描かれた棗が二個ある。
一個は鵬雲斎大宗匠のお好みの「山里棗」表に小さな鹿が描かれて、蓋裏に紅葉が描かれる大棗ながら詫びた風情。他の一個は紅葉を散らして鹿が大きく描かれた大棗で鵬雲斎大宗匠の花押がある。
何れも大棗で稽古では先ず使わないが、大寄せ茶会でも過去一度しか使っていない。

昔、知人の野尻湖の別荘に仲間で押しかけ、近辺を散策していた。一瞬、雨?と思うようにざわざわと音を立てた。それは木の葉が一斉に散って、熊笹などに落ちて音を立てるのであった。
上手い言い方をするものです「落ち葉時雨」
時雨の軸は十月に一度掛けたが大綱和尚の時雨の和歌。畳紙に黄梅院の印がある短冊を求めて、京都の表具屋で軸に仕立てて頂いた。軸の意匠は全部お任せ。流石に見事な軸が仕上がった。
余談ですが、東京での展示会に寄せて頂いて帰りの時に、ここの若い方は、店の玄関を一歩出て、私の高さ(道路)に下りて挨拶された。一緒に展示している他の老舗の方は玄関の上であった。こういう気遣いが、仕事の上に表れていると思った。

口直しの我が家飯
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久しぶりの野菜炒め
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このところ肉を食べなかった若が昨夜仕事の帰りにデパ地下で自分で買ってきた。
自分はそんなに・・・
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鯖龍田・・・普通は揚げるけれど、油の量を抑えて焼いた。なので・・・(泣)けど旨いです!
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弁当と考えるとメニューも狭くなる。
by higashinuma | 2015-11-01 09:20 | 茶道 | Comments(0)

茶道をとおして日々の流れをつづる

by higashinuma